高断熱高気密住宅の進化と普及

平成24年2月 中西和彦
住宅の高断熱高気密化の推進により、省エネ且つ省マネーでCO2の削減を計ることが
わが日本には必要だ、と、ずいぶん前から国土交通省も大学や各研究機関もインフォメ
ーションしているのですが、多くのハウスメーカーやパワービルダーは大量に販売する
為には、あまり面倒な仕事をしたくないので、エコキュートや蓄熱式床暖房やエネファ
ームや太陽光発電等の機器類で省エネ化を進めている印象を与えて、建築の技術事態は
旧態依然の簡単な工法で済ましています。
しかし、高度な建築技術に深い関心のある北海道では、多くの中小工務店や建設会社が
研鑽に励んでおります。そのことを後押しするために、札幌市などでは、独自の補助金
を用意して建築主と建設業者を後押ししております。そんな札幌の補助金支給の技術基
準をお知らせします。

まず、比較の参考に私が設計の仕事をしている関東や東海地域はW地域ですので
次世代省エネの基準(省エネ等級4)の基準となる数値が
Q値<2.7W以下 C値<5.0p2 以下  です
この甘い基準ですら、新築住宅全体の2割程度の家しか満たしていないそうです。
しかも、仕様規定と言う簡便な方法での表示がほとんどです。

では、札幌市の補助金認定の基準は
○ミニマムレベル(最低限の基準) 補助金無し 北海道の次世代省エネ基準なのに!!
  Q値<1.6W以下 C値<2.0p2 以下
○ベーシックレベル 補助金50万円 関東東海なら無暖房住宅ですね…
  Q値<1.3W以下 C値<1.0p2 以下
○スタンダードレベル 補助金50万円 これでスタンダードですか…
  Q値<1.0W以下 C値<1.0p2 以下
○ハイレベル 補助金50万円 もう究極の省エネ住宅ですね…
  Q値<0.7W以下 C値<0.7p2 以下

この基準で造られている事をQ値計算とC値の測定により確認されれば認定住宅とな
り、上記の補助金が支給されます。
私たちの地域で、皆様が色々な業者から説明される時の断熱性能=仕様規定、は認め
られておりません。
仕様規定と言うのは、こんな断熱材をこの程度入れると、大体次世代省エネ基準を満た
しますよ…と言う本当は計算すると駄目な事の多い簡易基準の事です。
私達が、正確なQ値計算にこだわるのは、仕様規定を計算にかけると家によっては
全く基準を満たしていないことが多いからです。
札幌市のように、計算と測定により、本当に良い家に補助金を出す仕組みは大変良い事
だと思います。私達の暮らす地域で、先進各国に負けぬ性能の住宅を造って、末永く使
う(長期優良住宅)には次世代省エネ基準(平成11年基準)でも大幅に足りないこと
が良く解る札幌市の補助金基準ですね。
私達、建築設計事務所(有)大匠と(有)中西工務店は全棟次世代省エネ基準以上の家しか
造りませんが、この甘い数字に満足することなく世界に恥じない省エネ高性能住宅を造
っていこうと思っています。


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