値上がり続ける電気料金

11月~12月にかけて、また電気料金が値上げ

また電気料金が値上げになりました。大手電力10社で上げ幅は10%を超えるそうです。我々が住む東京電力管内では、標準家庭の電気料金が今年に入り、たった1年で1054円、16.7%増加しています。

電気料金は10年単位で見ても統計データを確認すると上がり続けており、資源エネルギー庁が公開している消費者物価指数によると、2010~2014年の5年間で約19%水道光熱費が上昇しています。2021年現在と2010年の、11年で30%以上、水道光熱費上昇しているのは間違いないでしょう。

※出所 資源エネルギー庁ホームページより

総務省「消費者物価指数年俸 平成26年」を基に作成

水道光熱費は、これからも上昇傾向のまま推移する見込みですので、お家の新築やリフォームをする際には、十分に断熱について考える必要があります。

コロナ禍だけが原因ではない、今後も続くエネルギー価格の上昇

近々ではコロナ禍による影響も大きく受けていますが、根本的なエネルギー価格の上昇理由で最も簡単な理由は、世界人口の増加です。

日本では人口減少が叫ばれて久しいですが、今後30年で世界人口は20億人増加するともいわれています。そんな中、途上国が発展するのに伴い確実に需要は増え、限られた資源の競争は激しく、そして確実に高騰していくことは誰にも否定できないでしょう。

 

日本の高熱費が上がり続ける理由

日本において電力価格があがる理由は各エネルギー大元の構成を紐解くとわかります。次のグラフは日本の電源構成です。見て分かる通り60%以上を化石燃料に頼っていることが分かります。

2020年 日本の電源構成

資源エネルギー庁 エネルギー白書から作成

火力発電で料金が上がる

日本の電力は70%以上を火力発電、その燃料である天然ガスや石炭は、輸入に頼っていますが、既に需要がひっ迫しているのに加え、パナマ運河での海運トラブルや、大供給元ロシアの政治的思惑でガス代も電気代も高値が続いています。

原子力発電はどうか?

では原発が再稼働すれば下がるのか?既に再稼働した関西電力では事業収支が厳しいことを理由に料金値下げを実施しませんでした。加えて、皆様がご存知の通り今の電気料金には使用済み核燃料や廃炉に係る費用を無視しているため、いづれは電気料金として負担しなければならなくなるでしょう。

その他のエネルギーは?

では再生エネルギーの導入はどうでしょうか?唯一今後の政策次第では期待できるかもしれない分野で技術革新を期待したところです。

しかしながら、導入費用にはコストもかかりますし 再エネ賦課金という名で料金に転嫁されていますので逆に値上がり傾向にあります。それらが電気料金を下げる事があっても随分先になりそうです。

水道料金も上昇している

日本では水源が豊かで水資源に恵まれていますが、最近ではニュースにも取り上げられるようになっている通り上下水道の維持費が問題になっています。人口減少に伴い、一人一人が負担する維持管理費が増えていることから各地の自治体で上下水道料金の値上げが進んでいます。

 

まとめ

価格上昇分以上に断熱性能を上げない人だけが相対的に損をすることに

省エネであることは、少ないエネルギーでお家の中を快適に過ごせる状態に保つことができますので、エネルギー価格が上昇してもミニマムに料金を抑える事ができます。

また、国や電力会社は再生可能エネルギーを推進するために導入する人には補助金を出す一方で、導入しない人も含めた全国民にたいして賦課金と称した税金を課しているために導入しない人にとっては相対的に損をするしくみになってしまっています。

20年以上前から、今の省エネ基準以上の家づくりをしてきましたが、当時は沼津や三島のような温暖地と言われる地域では高断熱仕様はオーバースペックとだと言われていました。しかし今やそれが省エネ等級の最高等級水準となるようになりました。

高気密高断熱のお家が家計に与えるインパクトは、20年くらい経つと、確実に感じられるほど本当に大きな物になります。(前記事参照

これからの住まいは、光熱費の月々の支払と住宅ローンの支払は合わせて考える方が、お得な考え方といえそうですね。

まとめ

いかがでしょうか?お家づくりの際は建築費は大きな額で、戸惑いますが高断熱仕様を選ぶか選ばないかで、少なく見積もっても住宅ローンを完済する頃には300万円の差が出ます。同じ暮らしを忙しく日々送っている間にスゴイ差がでてきますので、十分に検討する必要があると思います。

ライフスタイルに合わせて注文住宅を建築していますが、どんな方でも光熱費は抑えたいところだと思います。更に次回の記事、~断熱性能にこだわる理由②~の記事では、皆様も最近気になっているであろうエネルギーコスト、高熱費の価格上昇について書いていきたいと思います。よろしければご覧ください。

 

 

 

 

 

2021年12月18日  谷口 怜