当社では、30年以上前から海外製の木製サッシと樹脂サッシを使用し始め、現在では、遮熱LowEペアガラス入りオール樹脂&木製サッシを標準採用しております。

□省エネ基準の厳しい環境先進国におけるサッシの基準

省エネ基準の厳しい環境先進国におけるサッシの基準

サッシの性能は住まいの快適性や省エネルギー性と直結します。その為環境先進国ではサッシに対して厳しい基準を設けています。例えば米国ニューヨーク州では、熱貫流率1.98(W/m2・K)以上の性能をもつ窓を使うことが義務付けられ、樹脂(または木製)サッシ(Low-E複層ガラス入り)以上の窓でなければ家を建てることができません。

□世界の樹脂サッシの普及率

出展 樹脂サッシ工業会

省エネで快適な住環境をつくるために誕生した樹脂サッシは、開口部の断熱基準を厳しく法制化している先進国の国々で普及利用が加速している状況です。
各国の樹脂サッシ普及率を調査しますと、日本や木製サッシの普及率の高い北欧を除いた先進国の国々では 60%を超える状況となっております。

世界の開口部は樹脂サッシが標準と言ってもいい状態ですが、日本においての普及率は29%(2022年度)とまだまだ低いと言えるでしょう。

当社では、日本の断熱基準がまだ低かった30年以上前から、断熱性能の高さとLCC(ライフサイクル・コスト)の低さがアルミに比べ格段に低いという2つの理由で、北米・北欧のオール樹脂&木製サッシを標準採用してきました。

※サッシとは、枠として用いる建材や、あるいは窓枠を用いた建具であるサッシ窓そのものを呼びますが、間違いの無い様にここではガラスとサッシ(建具)とサッシ枠に分けて呼ぶことにします。

ガラスについて

20年位前まではシングルガラスが主流でしたが、省エネルギー基準が厳しくなった事やペアガラスの価格が安くなってきた事から、現在ではペアガラスが主流となっております。同じペアガラスでも空気層の厚み、ガラスの種類により断熱性能が全く変わります。

2枚のガラス間の空気層の厚みは12~16ミリです。それ以上厚くしても2枚のガラスの間で空気が対流してしまい、かえって断熱効果が落ちてしまいます。ガラスを含めたペアガラス全体の厚みは、サッシの溝の巾とも関係しますので、サッシの種類により決まります。

□一般的なペアガラスの構造

一般的なペアガラス

2枚のガラスで中空層を作ったガラス。間にはさまれた空気によって、1枚ガラスよりも断熱性能を向上させています。

□LowE複層ガラスの構造

□LowE複層ガラス

複層ガラスの内側に、熱の伝わりを抑える特殊な金属膜「Low-E(Low-Emissivity=低放射)膜」をコーティングし、複層ガラスよりも断熱性を高めたガラスです。

さらに、2枚のガラスの間の空気層にアルゴンガスのような特殊な気体を入れて、断熱性能をアップさせるタイプのペアガラスもあります。但しガスが入っている場合、経年劣化でガスが抜けてくることがありますので、注意が必要です。

その他、3枚のガラスの間に2つの空気層のあるトリプルガラスといった製品もあります。トリプルガラスを使う場合、重さや空気層の厚さによる性能の低下、コストアップにも注意が必要です。

国産ガラスメーカーの場合、通常透明ガラスと型ガラスが選べますが、海外のサッシメーカーの製品の場合、基本的には透明ガラスのみの設定ですので、カーテンなどの目隠しが必要になってきます。

ガラスには特殊な塗装を施し断熱、遮熱性能を高めたLowEガラスや遮熱LowEというガラスもあります。当社では、性能データとシミュレーションをもとに、当社の位置する太平洋側の温暖地域では夏の日射遮蔽を重視した遮熱性能の高いガラスをおすすめしております。

□実際にガラスの性能を確認する方法

設置したガラスの性能につきましては、下図のようなアメリカの住宅検査官が検査現場で使用しているガラステスターでお客様に確認頂いております。本社事務所やショールーム、見学会などで簡単に体感できるように準備しておりますのでご利用ください。同じペアガラスといっても全く異次元なことがお分かりいただけるかと思います。

 

○内の数値は、SHGC(日射取得率)です:SHGCとは日射熱が窓から室内側へ流入する比率。72%の日射を遮蔽していることが分かります。

□サッシについて

皆さん窓の性能のことをお話しますとガラスに注目しますが、実はサッシの性能もとても大切です。といいますのもガラス面での結露は見えるので拭き取れば済むのですが、怖いのは見えない部分で起こる結露、いわゆる内部結露で、その大半はサッシから熱が伝わることで起こります。

サッシはサッシ枠に接触していますし、サッシ枠は柱に固定されているので、熱が伝わりやすい素材の場合、直接柱などの構造体に冷たさが伝わり、柱の表面で結露してしまうことが考えられます。

アルミサッシの場合、接触している柱に直に冷たさが伝わり、内部結露の原因になります。

アルミと樹脂の比較

アルミと樹脂 身近の例

例えば、お料理に使うアルミ鍋を思い出してください。取っ手部分は、アルミの熱を手に伝えないように、樹脂でできています。

アルミは樹脂に比べて約1000倍以上の熱を通します。

熱の伝わり方のイメージ 出展 日本住環境

当社では、この様に熱を伝えやすい素材のアルミをサッシに使うことはやめた方がいいと考えております。(もちろんアルミサッシも内部に断熱材を入れたり、樹脂との複合サッシにしたり色々改良はしておりますが、あまりにも素材自体の特性が違い過ぎると思います。)

アルミ樹脂複合サッシ断面

柱等の構造材に接する部分がアルミなので、全て樹脂で作られたサッシに比べ、冷たさを伝えやすくなります。

オール樹脂サッシ断面 出展:YKKAP

柱等の構造材に接する部分も樹脂なので、冷たさを伝えにくくなります。

海外の樹脂サッシや木製サッシを使った住宅

当社ショールームでは、国内と海外の樹脂サッシ&木製サッシを現物展示しております。ぜひ体感しにお越しください。

出典 日本:令和4年住宅建材使用状況調査、日本サッシ協会(2023)
アメリカ:Home Innovation Research Labs(2013)イギリス、フランス、ドイツ:Interconnection Consulting(2016)韓国:日本板硝子(株)調査データ(2011)

この様に、室内の温度や快適性を事前に見えるする事が大切です。当社ショールームや実際に内窓を取付したお宅も体感出来ますので、お気軽にお問い合わせください。


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この記事は私が投稿しました。

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川崎誠(専務)

土地選び・資金計画・リフォームを得意とし、
目指すはお客様への究極のホスピタリティー。

宅地建物取引士・FP(ファイナンシャルプランナー)
二級建築士の資格を持ち、
お客様の家作りのサポートに徹しています。

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解決方法を考えるのが好きなので、
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