頻発する豪雨災害、静岡県東部でも近年、台風や豪雨による災害が頻発しています。

 

 

2018年 台風24号 による強風、豪雨 被害

2019年 台風19号 による強風、豪雨 被害

では、特に多くの被害があり当社でも補修や対策の相談を多数お受けしました。

 

これらの災害に対してお家づくりの面から、備えておきたいことや、問い合わせの多い事柄についてご紹介したいと思います。

 

災害に対する建物について備えておきたい3つポイントについて

 

  • 豪雨・強風への備え
  • 停電時への備え
  • 被害を受けてしまった時の備え

(火災保険の内容の再確認)

 

1.豪雨・強風対策

豪雨への対策ポイントは、ベランダや屋根の「雨とい」が詰まっていないかを確認しましょう。建物の排水は「雨とい」を通って水は流れていくものとして計画、施工されています。

ベランダの「雨とい」が詰まっていてプールになることなどは想定されていません。

台風が来る前に確認しておきたいポイントです。

強風への対策

強風での被害でもっとも多いのは、ポリカーボネートを使用したテラス屋根やカーポートです。これらは利便性や形状の特性上、「片持ち」と呼ばれる形状の物が多く、どうしても強風に弱くなります。

被害としてはポリカーボネートが飛ぶ、アルミフレームが曲がるといった被害があります。

これらの対策は設置前の選ぶ段階で、価格が少し上がりますが、なるべく強風に強いタイプを選だり、強風時に取付けるオプションを選んでおくことが大切です。

 

窓ガラスへの対策

台風対策で窓にガムテープをバッテンに貼ることが散見されますが、これには注意点があります。

ガムテープをバッテンに貼るのは割れた時の飛散防止が目的で、ガラスの強度は上がりません。

また、最近のお宅ではペアガラスが増えていますがペアガラスにテープやフィルムを貼ると、「熱割れ」という現象でテープを張ったが故に割れることがあるので注意が必要です。

 

ペアガラスは意外と強く、強風で物が飛んできてペアガラスの外側1枚だけ割れることがあっても、2枚とも割れるまでの被害は過去1件あるかないかです。それでも心配な方には後付けシャッターの取付けをおススメします。

近年多発する強風対策で各サッシメーカーが今まで形状や構造上、取付けられなかった窓にも対応可能なシャッターのラインナップが出てきています。(詳しくはご相談ください)

2.停電時への備え

一般的な備えとして、食料や電池等の備蓄がありますが、建築的な備えとしては電気を供給するシステムがあります。

 

どの地域でも避難施設には十分な人数の収容能力がありませんし、コロナ禍では違った心配が増える中、停電時はなるべく自宅でなんとか生活できるようにしようという要望が多くなっています。

 

お家の中のほとんどが電気で動いてる現代の住宅では、停電した時の備えや準備は必須です。

ガス、給湯機も全て電気により供給されています。

水道は一戸建ての場合はほとんどの場合、水圧により供給され、浄水場には自家発電機が用意されていますので水は出る事が多いですが、稀に停電すると水道が出ない地域もありますので確認が必要です。

停電時への備えとして太陽光発電システムですが、こちらも停電時に自動的に切り替わるのではなく、操作が必要な場合が多いです。

 

これから災害対策で設置するのであれば、自家使用だけを目的とした「マイクロソーラー」というのもおススメです。

パネルを2~3枚程度設置し、発電した電力は家で消費する方式です。(発電量は2枚で600W、3枚で900W)

売電するための高価なパワーコンディショナや国への申請が不要なため、50万前後~とかなり低コストに設置でき、電気料金を抑えることができます。

 

3.火災保険の内容の再確認

火災保険に風災害や水害について保証がついているかどうかを確認しましょう。

住宅ローンを組む場合、火災保険の加入が条件になる事がほとんどですので、加入している方も多いと思います。

実際に保証の手厚い火災保険に加入されている場合、台風被害の補修費のほとんどが保険で賄えます。

 

ただし、共済などで加入できる火災保険は、保険料が格安ではありますが、おりる保険金額も少額です。実際に被害に遭って直そうと思ったら、保険でおりる金額が少なく持ち出しで補修しなければならない。というケースも少なくありません。

 

保険料の安さだけではなく保証内容も確認し、ご自分に合った保険を選ぶようにしましょう。

 

 

 

 

2020年9月13日  谷口 怜