工法・テクノロジー

中西工務店の 塗り壁外断熱工法(外張り断熱) をご紹介します

『外断熱+塗り壁仕上げ』という断熱及び仕上げ工法は大変高いレベルの技術と経験を必要とします。
弊社では、外断熱に関しては従来より標準としてドイツの技術を使ったEPS(発泡ポリスチレン)の外断熱を採用しております。
外断熱に利用する断熱材には各種ありますが、例えばフェノールフォーム系の断熱材などを使用しますと吸水性が高い為に塗り壁工法に向かない事は当然として、高温多湿な蒸暑地域の私達の地域では断熱材が吸湿してしまい断熱性能自体も急速に劣化します。ドイツでは、第二次大戦後10年程を経た頃より吸水性の極めて低いEPSを利用した外断熱により焼け残った建物を改修して活用する事業に乗り出しました。現在でも私の諸事雑記帳でご紹介しております奇抜なデザインのマンションなどお分かり通り、その技術は断熱性・意匠性の有利さ故に大型物件にも採用されております。

そんな、歴史と経験が豊富なEPS外断熱工法を、現代の技術と資材で高温多湿な我々の居住する地域の気候に合わせて皆様のために開発し続けてきた施工方法が弊社の外張り断熱=外断熱工法なのです。
弊社の使用するEPSは、基礎に使う部材も、壁に使う部材も全てがシロアリ対策の施された防蟻処理済みEPSです。
さらに今回ご紹介するのは、
外断熱工法の断熱材に直接、透湿型接着モルタルを施工することができる、画期的な防火構造です。
この工法により、塗り壁仕上げをご希望のお客様にも従来よりも少しですが安価に、
      高断熱・高気密・防火・高耐久の高性能住宅 をご提供できるようになりました。

弊社の外断熱工法は、【次世代省エネ基準の認定工法】です。
    ■『次世代省エネルギー基準』評定を取得した住宅は、
      住宅金融支援機構のフラット35の割増融資、250万円が受けられます。

重量鉄骨造&鉄筋コンクリート造系

ナカニシの塗り壁外断熱工法の特徴は‥
  1. 断熱素材の透湿性が低いために繊維系断熱材を使用した内断熱工法よりも断熱材内部で結露の心配が少ない。
    さらに、断熱材自体が防火性及び自己消化性を有するために火災に強い。
  2. 安全策として構造用合板の上に、防水シートの先張りにより、水蒸気・雨水の壁体内への侵入を防止している。
    これにより、暑さ寒さから構造躯体を守るとともに、台風時などの雨水の浸入にもさらに強くなる。
  3. 予期しないことで断熱材の中に水蒸気や雨水が侵入した場合、ドレージマットと外壁の計画された  透湿性により 外部放出が設計されている。
    (外壁は、水蒸気粒子は通過させるが、雨水は通過させない構造となっている。)
  4. 外壁は内装側から透湿性の高い順番にウッドブリースフォーム・ベースコート・フィニッシュコートと配置されており、 熱抵抗も影響して結露が起き難い設計となっている。
    これは逆に言えば外装側  からは防水性の高い順番に配置されており、幾重にも防水層が設けられていることになる。
  5. 内装側の水蒸気は構造用面材までは侵入してくるが、構造用面材は室内とほぼ同じ温度であるため結露はしない。
    内装側に気密シート、断熱材を設けていないので、侵入した水蒸気は自然と室内側に戻っていく。
  6. さらに、欧州製・日本製・北米製等の塗り壁仕上げ材で塗った上に、親水性+低汚染性を持ったセルフクリーントップで仕上げ塗りをすることにより、長期間にわたって美しい外観を保つことができる。
対して、繊維系の充填断熱や有機質材料吹込み断熱の場合

重量鉄骨造&鉄筋コンクリート造系

  1. 冬に部屋を暖房すると、部屋の温度・湿度は高くなります。
  2. 水蒸気は水蒸気圧の高い室内から水蒸気圧の低い室外へ移動します。
    逆に、外部の湿度が高い夏に室内でエアコンを使用していると、水蒸気は外部から室内に向かって移動してきます。
    どの住宅会社も説明しないことですが、防水透湿シートは水蒸気が両方向 に自由に出入りすることができてしまいます。
  3. 室内から、もしくは室内に水蒸気が移動しないための内断熱の施工で重要な 防湿・気密工事を室内側で完璧に施工することは容易ではありません。
    ※弊社でも10数年前にチャレンジしましたが完璧にはできませんでした。
  4. 冬に室内側から室外側に移動する水蒸気は、防湿・気密シートの隙間を通過して壁内部の温度の低い所で結露をします。これが断熱性能の劣化だけでなく、ダニ・カビ、そして木材を腐らせる腐朽菌繁殖の好環境となります。
  5. 従って外装側に水は通させないが、水蒸気を透過させる防水・透湿シートを施工し、その外側に通気層を設け内部結露を防ぐ必要があります。
    そうすれば水蒸気は外部に排出される事になりますが、耐震性向上の為にこの図では使っていない構造用合板を使う工法が一般的ですので、実際には水蒸気は構造用合板を通過して出て行くことができずに充填断熱の 中で結露してしまいます。
  6. この工法では、夏季に通気と共に浸入することもある湿気や、通気胴縁の 耐力不足、火事などの災害に対して脆弱であることも考慮する必要があります。
  7. 近年自然素材ブームの中で、セルロースファイバー(木質系断熱材)を壁の中 にブローイング充填する事をお勧めする住宅会社も増えましたが、高温多湿なわが国の環境では、完璧且つ慎重な室内側気密施工が伴わなければ、余計に心配且つ不安な要素を作り出すことにもなりかねません。
    適度な湿気と温度、そして餌になる有機質素材がシロアリやカビやダニにとって最高の環境で有る事を忘れてはいけません。一部の施工方法を除きますと、断熱材料は無機質であることが非常に重要な事だと思います。

如何ですか、中西工務店ではより安全でより安心できる高性能住宅を皆様のお好きなデザインでお届けするために優秀な技術を持つ素材メーカーと連携して、より良い工法を作り出しております。
もちろん、オープンな工法でオープンな素材できちんとした検査や工法認定を取得したものを採用しておりますので瑕疵担保保証やフラット35等の技術基準に適合するものです。
『良い事は分るけれど、施工者にとっては面倒だね‥』と言う、作り手側の勝手、に立った言い訳をしないことが我々の誇りでもあります。ドイツはもちろん北米でもたくさんのメーカーと実績があるEPS外断熱塗り壁工法を、日本の気候に最適なように研究開発してきたメーカーと連携することにより生まれた
『 ナカニシの塗り壁外断熱工法 』 です。
柳沢体感ハウスにて防火実験もお見せできますのでどうぞ、ご来館ください。

中西和彦


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