Q1.見学会の建物は気に入ったけれど、私の家に入る大工さんの腕前や仕事の質が心配です。
▼A1
当社では、大工が社員や準社員になっておりますので、後で手直しの無い様な 仕事に励んでおります。給与もサラリーマンと同じように保証されておりますので 良い仕事をすることに専念できるのです。
また、ほとんどのハウスメーカーは、担当大工と現場監督だけで家を建築するのが普通ですが、当社では、木工事の管理指導役としてスーパーバイザー(非常に技量の高い大工さん)をいっしょに担当させております。
また建築の工程に合わせて、その仕事を得意とする大工と交代させます。要は、同時に建築している家の全てを、全てのスタッフで共有して仕上げて行きますので、どの家も同じ品質になります。また、大切な構造部分は自社の工場でパネルにしますので品質や強度の確保は心配ありません。
在来工法の場合も、構造材は全て乾燥材を用い、静岡県富士宮市と福島県いわき市の二つの工場で 完璧なプレカットと品質管理をしております。現場の施工方法は在来・2×4に関係なく共通です。
Q2.屋根ができ上がるまで、雨に濡れて駄目にならない?
▼A2
構造に使う材料は、全てワックスで簡易防水されているKD材(乾燥材)ですし、自社工場でプレカット&パネル化して、お天気をにらみながら三日間で上棟しますので、雨で構造が傷むことはありません。万一偶然の雨にあってしまっても、床の大きさと同じくらい大きなシートを特注で作ってありますので、そのシートをかけて雨を防ぎます。
当社の今までのデータでは、五日間雨に濡れ続けても強度低下や変形はありませんでした。在来工法の高耐久木造も同じ方法で養生しますので安心です。
Q3.Q値とかK値とかC値とか、色々な性能表示の数字はどうですか?
▼A3
Q値やK値は次前に設計段階で計算ができますので、全棟計算してご報告します。
また、C値は国際基準に適合した測定機を設計の大匠が用意してありますので、必要な方は、上棟後に測定してご報告します。やはり必要に応じて完成時のC値測定もいたします。
また、建物の構造の強さは、設計段階で構造計算プログラムにて検証いたします。 この段階の作業が建物の強さや安全性に大きく寄与しております。
Q4.輸入住宅はどこの国の輸入?
▼A4
私たちの考える輸入住宅とは、特定の国から特定の家をキットのようにして輸入することではありません。
カナダにはこんなに良い木材がある、中国にはこんなに良い石がある、イタリアやブラジルにはこんなに素敵なタイルがある、アメリカにはこんなにデザインの良い洗面ボールや水栓がある、キッチンはドイツとカナダのものがデザイン・品質が良い、日本の陶器製の洗面ボールはナチュラルな雰囲気が最高だ、フィンランドには健康に良い断熱材がある、などなど 私たちの輸入住宅とは、こんなふうに世界の素敵な資材を集めて日本人の感性に合った施工方法で仕上げることです。もちろん、プランやデザインはフリーです。
Q5.輸入の窓を使っているけれど、ガラスが割れても大丈夫?
▼A5
どのメーカーの窓も、修理方法は熟知しておりますのでご安心ください。
窓ガラスが2枚とも割れてしまった場合は、仮に一枚のガラスを入れて補修し、早ければ4日で新品のペアガラスを調達できます。
特殊な窓の場合は二か月の期間を必要としますが、上記の対処で生活に支障はありません。
Q6.海外の木材やドアは日本の風土に合うの?
▼A6
たとえば、カナダですと夏が乾燥期で冬が湿度の高い季節です。雨も気候ですので木材やドアは日本になじむのに苦労しております。
しかし、国産品の半額でご提供できることは大変な魅力ですので私たちが日本に合うように木材やドアに対して手直しや手伝いをします。
輸入資材が日本になじみ、あなたの家族となるために、お引渡し後も一二年かかりますので、ドアの調整や窓の調整、高気密高断熱の家の住まい方を含めて私たちがメンテナンスいたします。
Q7.玄関ドアの鍵を無くしてしまった時に輸入の鍵で困らない?
▼A7
海外の鍵は、ドアハンドルとは別に、中のシリンダー錠のみを交換できます。
当社ではいくつか予備のシリンダー錠を用意しておりますのですぐに交換できます。 但し、イタリアやスペイン、スウェーデンの一部の物は交換ができませんので最初に選ぶときにご注意申し上げます。
Q8.和室とか和のテイストが欲しいんですけど?
▼A8
和室は、客間としても、仏間としても非常に便利な部屋です。本格的な数寄屋の和室やお茶室は年に4室ほどお造りしております。
元々が、和風住宅を得意とする会社ですので、和の技術を習得した職人を抱えておりますし、中西和彦は日本の神社や民家等の伝統建築の研究分析が大学時代の専攻及び研究テーマでしたので、一番の得意分野になります。
現在お客様からよくご注文をいただく和室は、リビングに付属した洋風のデザインが多くなっております。さりげないデザインの中に和のテイストを求められる方は多いようです。また、輸入住宅でも浴室の外に和風の坪庭などをしつらえる方も多いです。
Q9.定年が近いので、新築後にメンテナンスやリフォームにお金を使いたくない
▼A9
住宅の仕様を決める際にご注意が要りますが、世界には良い素地が揃っております。
外壁や屋根というのはメンテナンスがかかる素材とかからない素材が有りますので設計段階からデザインとあわせて慎重に検討してまいります。
ハウスメーカーが頻りに宣伝するメンテナンスフリーのサイディングも、材料の表面としてはメンテナンスフリーでも、その接合部分がコーキングに頼っている限り、長くても8年程度でコーキングの打ち直しが生じます。サイディングの場合は、表面処理のみでなく、素材そのものやコーキングに頼らない、コーキングが劣化しない接合方法等に留意して選択する必要があります。
また、現在人気の塗り壁も、防水性能はもちろん、劣化に強い素材を選択してメンテナンスサイクルを15年以上にすれば、通常、建物に必要なメンテナンスサイクルの中で無理なくメンテナンスできます。屋根も、軽くて地震に強く、自然素材や特殊合金の技術により20年以上メンテナンスのいらない商品が有りますので、積極的にお勧めしております。
Q10.我が家の敷地は大変に狭いんだけれど大丈夫?
▼A10
わずか16坪の敷地に36坪の3階建てで広いリビングも有る住宅や24坪の変形敷地で車庫付きの二世帯同居住宅等、多くの建築事例があります。
設計者は、難しい問題を解決するために居りますので、ご遠慮なくご相談ください。建築事例を見学しながら考えていきましょう。
Q11.ハウスメーカーさんで聞いたら『フリープランでできます』と言われます
中西さんの言う『フリーデザイン』とどう違うのですか?
▼A11
ハウスメーカーで言うフリープランとは、「間取りの変更ができる」と言う意味です。
工法や間取りの変更範囲、使用材料や仕上げ材料、基礎の種類や断熱の種類外観の基本や内装の基本、ドアや窓のサッシの仕様、屋根のかけ方や天井の作り方、外壁の素材の選択範囲・色、床の仕上げ材の限定、等々。所詮、あらかじめ彼らが用意した中での自由な選択を言います。結局不自由です。
私たちの言います『フリーデザイン』とは、上記を含め全てが貴方のために自由です。モダン・コンテンポラリー・カントリー・数奇屋・ジョージアン・アーリーアメリカン大空間・傾斜天井・4畳半・地下収納・アイランドキッチン・ビッグユーティリティー。私達のデザインは、貴方の夢を聞かせていただくことから始まります。
例えば、私達が使用する室内床の仕上げ材を列挙してみましょう。桧ムク材・オークムク材・メープルムク材・桜ムク材・バーチムク材・パインムク材・桐ムク材・国産MDFなら単板仕上げ材・テラコッタ・テラコッタタイル・大理石・御影石・砂岩・イタリアンタイル・ブラジリアンタイル・竹ムク材、等々です。
貴方のニーズとデザインに応じて日本を始め、世界から良い素材を安価に調達します。
Q12.設計事務所とか一級建築士とか言うと、どうも話が難しそうだし、だいたい、私達そんなにこだわって家を考えてるわけじゃないんだけど?
▼A12
私達のお客様にも、そのような方が多くいらっしゃいます。
「ご主人は会社の仕事が忙しく、ストレスも多いので家造りに夢中になれない、奥様は、ちょうど子供に手がかかるので、家事とあわせて大変。」こんな状況のようです。その時こんな方々ほど普通の家で良いとお考えのようです。私自身も、日常は以外にそんな考えです。
自宅の設計は家内に任せきりで、疲れて帰って家の相談をされると、生返事で『いいんじゃない、任せるよ…』と言って野球を見ながらビールを飲んでいました。そのうち家が完成して入居し、クローゼットの位置が気に入らなくて文句を言い、家内にえらく怒られました。幸い私の場合は、家内が建築士で尚且つ300軒も設計してきたデザイナーですので大きな不満は有りませんが、もし、これがハウスメーカーの営業マンに任せたのだったら、人に言えず大きな後悔をしていたことでしょう。
「普通の家」と言う言葉ほどあいまいで判りにくい言葉はないと思います。「普通の人」と言うのと同じですよね。十人十色ですものね。私達に、一回3時間の打ち合わせ時間を3回いただければ、後は楽をして頂いても貴方のためだけの「普通の家」を設計できます。それが、学校で建築学を学び、設計事務所で修行し、資格を取り、経験をつんだ建築士が、皆様の御役に立つところだと思います。
費用に関しても、設計監理料を含めて、十分納得のいく価格になることと思います。皆様のご主人のご職業でも同じ事と思いますが、大切な業務を素人に任せることはしないと思います。
例えば、自動車の修理はプロの整備工に依頼したいものです。弊社が、営業マンにプランをさせないのは、その道のプロではないからです。営業マンがプロな領域は、資金計画・銀行対策・不動産登記法・開発行為関係・相続税対策・税務対策・近隣対策等お客様が本来ご自分で処理されなければいけない事柄を代わりにご指導ご調整させていただく業務です。ですから、全体としては良きアシスタントと言えます。
Q13.なぜ高気密高断熱住宅が良いのか?
▼A13
大きな理由は二つです。
理由1=省エネ
例えばお届けしました図面と測定データのS邸のケースでお話しますと、二階のリビングやキッチン・ダイニングなどオープンな空間全てを10帖用程度のエアコンのみで冷暖房しても十分ですが、もしも、S邸が一般的(建設省の基準による)な木造住宅だったら8帖用エアコン2〜3台が必要です。このエネルギーとコストの差は非常に大きなものです。
理由2=快適さ
一般木造は、敢えて分類するならば低気密中断熱住宅と言う事になります。
弊社で建築しました20年以上前の住宅も同じ分類に入ります。この一般木造と呼ばれる住宅は、現在も、各社により大量に供給されているため、建設省は4年ほど前から躍起になって高気密高断熱住宅を推進しております。
一般木造の欠点を列記いたしますと、取りも直さず高気密高断熱の長所がわかります。
- 断熱がしてあるのにコンセントやスイッチから外気が侵入する
- 暖房時や冷房時に、床面と天井面との温度差が3℃から6℃も生じてしまう
- 室内と室外の気圧差が少しでも生じると、外気を自由に取り入れてしまうので断熱材がその役目を果たさなくなる
- 躯体内に熱橋(ヒートブリッジ)がたくさん存在するため、冬季に壁内結露が発生する。特に北面の壁には壁内結露のみならず、表面結露も多く発生し、室内空気にカビの胞子やダニを供給するため、喘息やアトピーの原因となり、自然物質によるシックハウス症候群を引き起こす。
- 外壁内部の断熱層に梅雨時でも外気を侵入させてしまうので、断熱材が湿気を多量に含み、断熱材としての効果を激減させてしまう。特に判り易い項目のみ抜粋しましたが、上記のような現象が、快適な暮らしを大幅にスポイルします。それを防ぐ方法が高気密高断熱にすることです。
例えば一般木造ですと、室内の床面と天井面との温度差が3℃から6℃も生じてしまいますので、冷やし過ぎや暖め過ぎが起こります。女性や子供にとっては健康上大変害があります。高気密高断熱住宅では、床と天井の温度差が2℃以下に収まると言うのが学会等の調査により公表されておりますが、弊社の標準的な住宅では、1℃以下に収斂しております。真夏に、エアコンを28℃や27℃の設定で過ごせますし、真冬に23℃程度の設定で快適に過ごせます。
温熱環境と湿度の管理が快適さのキーワードですので、高気密高断熱住宅は快適で省エネな暮らしができる素材の最低基準とお考えください。
Q14.日本人には、中気密中断熱のほうが良いのでは?
▼A14
一部の学者や建築業者は、『中気密中断熱が日本の暮らしにちょうど良い』と言う意見を何の根拠もなく素人向けに発信しておりますが、現実に中気密中断熱という工法は存在しません。手短にお話しますと、気密とは、良いものと悪いものしか存在せず、ちょうど良い具合の気密は有りません。強いて言えば、建設省が推進する高気密の基準の境目にあたるC値5が中気密といえます。
しかし、この数字を計画時や建築時に意図的に計画して出すことは不可能です。C値を5以下にしようとして計画し、まじめに施工しますとC値は3程度になりますし、断熱性能を落とさないようにヒートブリッジを丁寧になくして行きますとC値は2程度になります。だから、少し手抜きをしてC値を5に近づけようとしますと、C値は10程度まで一気に悪くなります。
そして、悪くなってしまった住宅を良くするには、上棟時点の状態にまで解体して再施工・再仕上げをしなければなりません。これも事実上不可能な行為です。ほんの触りの部分の解説だけですけれど、高気密高断熱が何ゆえ必要かお解りいただけるでしょうか。
在来工法であれ2×4工法であれ、この㈽及び㈿地域ですと気密のC値が3程度で、断熱の度合いが次世代省エネ基準と新省エネ基準の中間当りの性能が、コストにも満足のゆく性能の数値だと思います。余談ですが、かつての日本の住宅建築は、住む人のために造るのではなく何々家末代のために造りました。住む人は所詮はかない人生を過ごすだけですが、その家は代々存続させることが当時の建築家や大工に科せられた使命だったのです。私も学生時代は日本の古建築を専攻し、伝統的な民家もたくさん測量してきましたが、快適さからは程遠い住宅です。それに引き換え海外の住宅は、中世以降、住まい手のための建築をしてきていますので英国のように、時代に合せたリフォームをするだけで150年以上も使われつづけます。
今、私達は住まい手のために住宅を考えています。建築を取り巻く法律も戦後始めての大改革が3年をかけて終了しました。その法の趣旨は一言で言えば、住まい手のための住宅造りの基準と保証を義務付けた、ものです。高気密高断熱も当たり前のことの中に入っております。以上簡単ですがご参考までに解説させていただきました。
Q15.各種配管は濡れたりしないか?また、取替えはどうするか?
▼A15
給水給湯及びガス配管に関しては、上棟後の隠蔽配管終了時と器具付け後の完成時に圧力試験を行って居ります。排水の漏れもこの時点でチェックしております。
また、H13年着工分の現場より、鞘管ヘッダー方式に切り替えてまいりますので配管の取替えや長期に渡るメンテナンスが容易且つ確実になることと思います。
Q16.全館空調のダクトは結露したりしないか?
▼A16
全館空調のダクトは、アメリカ製のものを使用しておりまして結露しません。カタログをコピーいたしますので、どうぞご覧ください。
この管は、パテントが取られておりますので日本では製作できません。また、日本の企業の開発した配管に比べ、施工性・価格・信頼性ともに上回ります。
Q17.2×4工法の釘は、在来工法と違うがなぜだ?錆は大丈夫か?
▼A17
釘の件ですが、根太受け金物やあおり留め金物等の金物に使う釘は、錆びることの無い亜鉛どぶ付けメッキの認定釘以外は使用禁止になっております。また、構造用合板も指定釘を指定寸法で打つことにより構造計算上の耐力を得ておりますので、他の釘を使用することは禁止されております。
或る金物企業がステンレスのビスに関しては認定を取っておりまして使用することが出来ますが、市場では使われておりません。木材を留めつける釘は、打ち込み後に表面が少し錆びた状態で引き抜き強度を発揮いたします。日本古来の建築に使われているくさび状の釘も修復時に解体しますと同じ原理で非常に良く作用しております。
在来工法と異なり、2×4工法の場合は、昭和48年当時にアメリカの金物や釘を参考にして、より厳しい基準を設けて現在に至っております。19年前に私が2×4工法を始めたときも、在来工法の釘の2倍から3倍のコストがしておりました。現在、弊社でまとめ買いをしまして安くしておりますが、それでも2倍弱のコストが掛かっております。また、上棟後に見かける、黒く出ている構造用釘の錆びに関しては、まったく問題ありませんのでどうぞご安心ください。
見た目が少し悪いので、日本では気になさる方も居られますが、釘が木材に食いつく為には必要なことですし、そのミクロンの錆びも計算及び実験された上で厳しく決められているのが2×4工法用の認定釘です。認定釘の見分け方は簡単で、亜鉛釘以外は全ての釘に塗装が施してあります。その色によって的確に釘が使われているかどうかを検査できるようになっております。
Q18.充填断熱のときにベーパーバリアーを使わない工法を薦めるが、なぜ?
▼A18
ベーパーバリアーに関して少しご説明します。
ベーパーバリアーは読んで字のごとく水蒸気を防ぐ役割で壁や天井の内側に施工されるポリフィルムのことです。通常0.2mm程度のフィルムが使われております。寒冷地において、グラスウールやロックウールの断熱材を使用する場合に有効とされ北米・北欧で普及した工法です。但し、その場合は外壁の構造用合板を半インチほど隙間を開けて張り、タイベックシート等の透湿フィルムを張って躯体内の湿気を外部に排出
すると言う考え方です。(日本では半インチの隙間は禁止されている)この方法は、極寒冷地においては一応の成果を示してまいりましたが、日本のように寒冷地であっても、夏に高温多湿になる気候では、ベーパーバリアーの断熱材側に結露が生じることが確認されております。弊社でも10年前に数件のお宅にベーパーバリアーを施工してみましたが施工中であってもポリフィルムの内側で結露を起こすことが確認できました。
北欧や北米諸国でも、同じ現象が起こることと木材の家に住んでいるのにポリフィルムに囲まれた空間を作って、口の悪い方からは『ビニールハウスに住んでいるのかい?』などと言われることに抵抗があり、セルロースやウールの断熱材を使用して、ベーパーバリアーを止めるようになりました。弊社もいち早くセルロースやウールの断熱材を取り寄せて施工しております。
O邸のように高密度グラスウールのみを使用する現場は、お客様に良お話をさせていただきまして、室内のベーパーが駆体内に入らないような住まい方をしていただけることをお約束頂いております。それが、ご無理な暮らし方のお客様には、駆体内結露が心配される箇所(冬季の北側の壁面及び北面の風を切る出隅の壁)に関しましてセルロースやウールの断熱材を使用しております。すべて、セルロースで施工して、ベーパーバリアーを止めることが理想的なことではありますが、本地域においては過剰品質と成り、過剰コストとなる可能性がありまして、長年の経験と北海道の事故例でわかる結露箇所にのみ使用させて頂いております。
余談ですが気密とベーパーバリアーは別の次元の問題で、ベーパーバリアーが無いと気密が取れない会社の家は、駆体内に水蒸気が外部より進入して断熱材及び構造材を腐らせることになります。日本の気候では、気密は躯体の外側で完璧に取る必要があります。ちなみに、弊社の躯体気密は上棟時測定で0.92から1.2の間です。そして、完成気密は1.2から3.6の間に収斂いたします。そして、VOCの測定値は0.02から0.04の間に収まりますのでWHOの基準の半分以下になります。現在輸入を進めております塗料を使用しますと0.01程度に収まると思っております。(第三者機関の測定値)
Q19.コンクリートの基礎と土台の間には、微妙に隙間が出きるが良いのか?
▼A19
土台と基礎の間の隙間上記の隙間にはウレタンフォームを内側から(一部外側)吹き付けて隙間を無くしております。基礎断熱のお宅では確実に必要な作業になります。躯体気密を完璧にする上でも重要な工程と成ります。
Q20.ベタ基礎のベタの部分のコンクリートの厚さや鉄筋の太さは?
▼A20
ベタ基礎のスラブの厚さと鉄筋の量及び太さは、施工基準と計算式により求められます。
もちろん、その地盤の強さにより値は変化いたします。通常の5トン以上の地耐力の敷地では、異型鉄筋の10mmの太さのものを300mm間隔で配筋しますと十分以上なのですが、一応250mm間隔で配筋させております。スラブのコンクリートの厚みは150mmが理想的です。5トンを下回る地耐力の地盤では、やはり基準と計算で基礎を決定しております。
通常3トンですと、13mmの鉄筋を250mm間隔で配筋します。3トンを下回っている場合は10mmもしくは13mmの鉄筋を上下2段に配筋し、スラブのコンクリートの厚さを240mmにいたします。基礎の強さは、強すぎて、地面からの反力に抵抗できなくてもいけませんし弱すぎて反力が不足し、荷重に耐えられなくてもいけません。また一番重要なのが、スラブの力に対応する布(土台の載る立ち上がり部分)の梁としての強度が不足してもいけません。
Q21.健康住宅って今までの住宅と何が違うの?
▼A21
現在、雑誌やテレビの宣伝で『健康住宅』とやばれているものは、ホルムアルデヒド等の化学物質(VOC)が空気中にたくさんは拡散しないようにしたものと言う程度の定義です。
家に使われる建材類がF1と言う基準値を満たしていれば健康住宅として宣伝されてしまいます。(本当はFc0かE0でなければいけません。)しかも、実際に建てた後に測定してくれるわけでもないですし、F1基準の合板類で有っても、それをたくさん使用していれば、室内空気中には徐々にたまってきます。
そこで、ためないようにするために24時間換気システムで室内空気を入れ替えているのが多くのハウスメーカーや工務店の現実です。消極的ですよね。
Q22.シックハウス症候群って具体的にどんな症状があるの?
▼A22
頭痛やめまいに始まり、脱力感や筋萎縮に似た症状等ここに書きたくないような症状がたくさん出てまいります。詳しくはNHKの報道等を録画したものが有りますので担当者にお申し付けください。
Q23.我が家は10年ほど前にハウスメーカーで建てたんだけど、今からでも何とかなるの?
▼A23
なります。 VOCを空気中から吸着除去する資材が各種存在します。
弊社でお売りしております、VOC吸着用の紙や竹炭及びトルマリン等を上手にお使いいただければ、大げさな事をせずに安心して住まえる環境に替えられます。費用も二千円程度から対応できますので、ご相談ください。
Q24.中西工務店では建て終わってからホルムアルデヒドを測定して証明してくれるの?
▼A24
はい、公正な第三者機関にて測定をして報告書を提出することができます。
測定には20万円ほどの費用がかかりますが、必要な方はお申し出ください。費用負担は弊社が半分の10万円、お客様が半分の10万円で実施しております。
また設計時に、すでにご入居されている家のデータを見ながらお宅の仕様をお決めになれば、建築後にどのような数値が出るかは正確に予測ができますので費用をかけずに安心して仕様決定ができます。
弊社の建てた住宅を、何軒かご訪問いただいて確認することも良い方法です。担当者にお申し付けいただければ過去十年とか直近の半年とかに完成ご入居された家を何軒かご案内いたします。
Q25.最近、色々な本に『外断熱』の事が書かれているんですが、情報がありすぎて、何が何だか解らなくなってしまったんですが?
▼A25
そうですね、外断熱とか外張り断熱とかが、内断熱や充填断熱よりもとてもすばらしい技術のように喧伝されています。まず、事実関係を整理しましょう
- 外断熱とは、本来的には鉄筋コンクリート造の建築物や重量鉄骨造の建物等に欧州で使われてきた工法です。その欧州でも、一般の木造住宅には過去も現在もあまり使用されておりません。
- では、何で、どのような事情で外張り断熱を使うようになったのか?
[事情1]
省エネで快適な高気密高断熱住宅の欠点である壁体内結露防止の工法として
[答1]
壁体内結露を防ぐために、特に寒冷地において、内断熱だけでは断熱性能が足りなくなったので、外張り断熱を内断熱にプラスする形で使用し始めた。
[事情2]
元々気密性や断熱性に劣っていた在来工法で、住宅を省エネの為と快適さの為に、高気密高断熱在来工法にする開発の中での一つの流れとして
[答2]
在来工法で、壁の中に空気を通すパッシブソーラー工法(OMソーラーやソーラーサーキット等たくさんの工法が有ります)を採用して家を作ろうとしますと、外張り断熱しかできないから、コストアップと外壁の仕上げの種類が減る事と家のデザインが自由で無くなる事等を犠牲にしながらも、パッシブソーラーと外張り断熱をセットで使用してきた。
営業のための差別化工法として上記の事情で外張り断熱(鉄筋コンクリート造の場合のみ外断熱と言う)を採用してきましたが、適切な設計と施工が施されるのであれば、外張り断熱と充填断熱(木造では内断熱と言わない)とは、全く互角の性能と言えます。
在来工法(軸組工法)の進化の中で、2×4工法(枠組壁工法)との工法的な差が減少しパッシブソーラー工法を採用しない限りにおいては、どちらの工法でも同じです。
今後の流れとしましては、パッシブソーラー以外の在来工法住宅やアパートでも、気密性能の確保の為に外張り断熱が普及してくることでしょう。充填断熱が悪いのではなく、外張り断熱のほうが断熱性能以外の面で便利なので採用することが増えるからです。その際に注意することは、外壁の仕上げ材が限定される場合がありますので、皆様の家に対する希望と合うかどうかの検討を計画の早い時点で専門家にしてもらう必要があります。
※充填断熱の材料(例えばグラスウールやセルロースやウールブレス)については別項目で解りやすくご説明します。
Q26.霧が多い地域に家を建てるのですが、2×4工法は弱いと聞きます、本当ですか?
▼A26
計画時や施工時に霧に対する配慮を怠れば、その通りです。=在来工法も同じです。
また、住まい手の住まい方によっても湿気による建物の劣化に大きな差ができます。重要なポイントを幾つか列挙します
- 床下を基礎断熱にして外気を直接床下に入れないようにする
- 2×4工法は、壁体内結露を起こさないような断熱材を使用する
- 在来工法の場合は、上記と併せてパッシブソーラーのように躯体内通気を取る。但し、外壁の通気層とは違います。
- 浴室や便所の窓は、使用後に開放せずに常時換気扇を使用する。
- 空調機器か除湿機を使って、屋内全ての湿度管理をする。湿度55から60%程度
- 24時間換気システムを必ずつける。全館空調ならなお良し。
以上のに事を最低限守っていただければ、快適で安心に暮らせます。これ以上の細かく難しい内容は担当者にご質問ください。
Q27.地元の工務店で建てた方が良いと思うのですが、保証面で大手ハウスメーカーをあきらめ切れません。地元工務店の保証はどんなものなのですか?
▼A27
地元工務店とハウスメーカーとの保証面は、平成12年4月に施工された法律により実質的には同じになりました。
どの施工業者で建てても、10年間の瑕疵担保保証が義務付けられておりますし住宅保証機構やJIO等の保証機関が整備されておりますので、保証料を払いますと建築会社が倒産したり廃業した場合にも保証が受けられます。また、敷地の地盤が心配な場合は、これも10年間5000万円迄保証が付けられます。
但し、ハウスメーカーも含めて、公的に保証義務のあるのは、構造と雨漏りのみですので十分にご注意ください。内装とか外壁の色落ちとかは、公的には保証外です。また、設備機器や空調機器のような物は、基本的に2年間の各メーカーの保証です。
但し、地元工務店は、普通は小回りが利き親切ですが、その会社により異なりますので計画時にその工務店が建てた建物を5~6件程度日曜日に案内してもらいます。建築後に、その工務店がお客様とどのように接しているかが良く解る筈です。なにも家の中まで入らなくてもよいのです、外を見せてもらっていても家の方は必ず気が付きますので、『こんにちは、少し外から見せてください。』と貴方が言えば工務店の方が家の方に本当に気に入られているならば、愛想良く答えてくれるはずです。
また、『貴方の会社で造った家で、雨漏りがした家も見せてもらえますか?』とお聞き下さい『はい、解りました』と案内してくれる工務店ですとさらに安心です。そして、どのように対処したのか説明を受けると、その工務店の良し悪しがはっきりします。
今までに、雨漏りを起こしたことの無い工務店やハウスメーカーは1社も存在しないことをお忘れなく。要は、その後に完璧に対処してお客様の満足を得ているかどうかが肝心です。注文建築の難しいところを十分に理解して、お客様の為に十分なインフォームドコンセントを行い、満足のいくアフターケアーを施してくれる会社がベストです。
余談ですが、 新築住宅をお引渡しした後は、我々にとっては本当に大変です。設備機器の接続部分のほんのわずかな緩みやムクのドアの湿度による動きなどは茶飯事ですし、お客様が最新の機器に慣れるまで使いこなせないが故の助けてコール等非常に多くのアフターケアーが必要です。そんな大変さが、当たり前だ、と思える技術者や職人のみが良い家を造ると思います。
Q28.太陽光発電や太陽熱給湯で良い物は有る?
▼A28
はい、ハイブリッドソーラーが有ります。
発電と給湯を同じパネルの中で行いますので、見た目も費用もすっきりします。補助金も3kw発電で98万円おりてきますので、ご負担は軽くなります。 弊社が一次代理店ですのでお安くできます。施工例をご覧ください。
Q29.新築でなくても24時間全館空調なんて入れられるの?
▼A29
はい、在来木造の住宅ですとほとんどが可能です。(2×4住宅はご相談ください)
実例では、夏も冬も快適に暮らして、一ヵ月の費用が6千円から1万2千円の間です。玄関もトイレも、とにかく家中同じ温度なのは本当に快適です。
Q30.わが家は結構気密性が良いので、24時間換気システムを付けたいんだけど?
▼A30
スウェーデン製の24時間換気システムをお薦めしております。
新築ですと20万円程度でが、お住まいの家に関しては見積りさせていただきます。健康にはもちろん、VOC 対策と結露対策にもなりますのでご利用ください。
Q31.地震に強い木造ってどんな工法ですか?(軸組工法の話)
▼A31
木造軸組工法(在来工法)の強さについて地震にも台風にも強く、気密性や断熱性に優れる軸組工法(下記の3番の工法)が普及してきました。では、一般の軸組工法と一体何が違うのでしょうか。まず、一番最初に皆さんと共通の認識と知識を持ちましょう。
現在の木造軸組工法は、
- 大工さんが、材木屋さんか自分かの加工場で墨付けをしてプレカットする方法
- 町のプレカット工場で、コンピューター管理の元でプレカットする方法
- 特殊な工場で、認定金物用にコンピューター管理の元でプレカットする方法
この3種類に大別されます。
これらの内1と2番の方法は、接続個所に継手や仕口という下図のような方法を用います。
この図は、大工さんの加工する継手の例で、2の場合は機会で継手を加工する都合上少し違う形ですが原理は同じです。そして、下の写真のような金物をたくさん補強に使って丈夫にしていきます。
|
筋かいプレート(筋かい端部接合用金物) |
|
羽子板ボルト(梁材端部接合部などの引き寄せ金物) |
他、たくさんの種類の金物が使用されます。
次に、3番の方法では柱にはボルトの穴だけが開けられ、下図左のような金物を柱に取り付けて、下図右のドリフトピンと呼ぶ鉄の棒を打ち込んで接合できるようにプレカットします。
これが、三種類の軸組工法の現状です。
では、その強さについて検討いたしましょう。
まず、同じ図面で加工するならば1と2は同じ強度の接続方法と言えます。使用する補強金物や接合金物もZマーク品やCマーク品で共通のものです。そして、使用する材木も桧や杉や米松や集成材など、多くの選択肢があります。次に、3番の工法は、金物を作るメーカーが試験をして認定を受けた金物のみ使用できます。そして、使用できる材木は集成材に限られます。一部、杉のような天然木でも使用できると宣伝している会社もありますが、材木の断面を切って見てみますと、金物取り付け位置に大きな内部亀裂が走っていたりしますので、強度が確保できないと思います。ですから3番の工法は集成材で作ることをお勧めします。
一般に杉や桧等の天然木の柱よりも、集成材の方が2倍程度の強度が有ると言われていいます。ですから、集成材を用いて3番の工法で加工及び施工される軸組工法が地震に強い木造と言われている訳です。また、柱や梁を接合する継手や仕口の部分の加工をする際に、その材木の断面を大きく減少させてしまう1や2の工法よりも3の工法は継手や仕口部分の木材の強度が高いことも事実です。そして、集成材を使用することで、材木のねじれや割れから解放されて、多くの通し柱を設計できたり大きな梁を数多く使用できたりします。
和風建築で柱や梁を見ることも楽しみな空間造りをするには1の工法が良いと思いますが、洋風建築や三階建て建築の場合には3の工法が耐震性の意味からもベストな工法と思います。
以上簡単ですが、地震に強い木造の工法の概略を説明いたしました。