2022.5.2 川崎誠 【2.分譲マンション編】 毎週の様に、分譲マンションの広告が新聞の折込に入ってきます。「3LDK2580万円、駅まで徒歩10分、東京駅まで新幹線で45分、床暖房設備が標準装備、ツーウェイキッチン、ゆったりシステムバス、2方向バルコニー、免震工法」などキャッチコピーについグラッときてしまいますよね。でもよく考えてみてください。新聞折込広告をよく見てみますと、築2年位の中古マンションがたくさん売りに出されています。もし住みやすいのなら当然住み続けていると思いますが、なぜ住んで間もない時期から売却が始まっているのでしょうか?転勤などで手放さなければならない理由もあるかと思いますが、注文住宅の場合転勤になっても余程の事が無い限り気に入った住まいを手放さないものです。 このプランの最大の欠点は、収納が少なすぎることです。部屋の総床面積に対する押入などの収納部分の面積の割合を収納率と言いますが、目安としましては戸建て住宅で12~15%、マンションでも最低8%以上は必要です。このプランでは収納率が7.1%ですので、お子さんが大きくなるにつれ和室が収納となってしまうとが想像できます。分譲マンションの場合、決められた面積の中でいかに豪華でお値打ちかを演出する事が販売成績を左右させます。その為には「ゆったりした2LDK」より「ギュッと詰め込んだ3LDK」のプランを優先します。そして部屋数を優先するために犠牲になる部分は、ズバリ収納です。ウォークインクローゼットまでは無理としても、せめて手持ちのタンスを置けるスペース位は欲しいですよね。 当社でリフォームした事例です。 さらに、廊下から使う収納にもひと工夫しました。収納の扉の下部を切り取りオープンにし、猫のおトイレスペースにしました。廊下からの出入りが自由なので猫ちゃんの使い勝手も良好です。上部の扉部分の内部は隠して収納出来ます。こんな少しの手間を掛けるとマンションでも使いやすくリフォームできます。
ここまでのお話をまとめますと、マンションを購入する場合、まずは最低でも100分の1、出来れば50分の1の図面をもらい、実際の家具の大きさを自分で書き入れてみることです。その上でツーウェイにならないようにするなど設計変更出来るか確認してみることがポイントです。(最近は、和室を洋室にしたりする簡単なプランの変更を、オプション設定しているケースが多いので)
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担当 川﨑誠 |