どこが悪いの この家の間取り? |
十分広い家なのに、 なぜリビングにソファーやテレビがきちんと置けないの?
まずは、このプランをご覧ください。
1階の面積は24坪と充分な広さがあるのですが、 テレビの置き場所がなくなってしまった典型です。
リビングとダイニングの壁は出来るだけ小さくし、 開放感を持たせたいのですが、 大型のテレビを置く為にはもっと壁が必要で、 このままではテレビの背面が ダイニングから丸見えになってしまっています。
では何故こんなヘンテコな間取りプランが大手住宅会社の プランとしてまかり通ってしまうのでしょうか?
答えはズバリ作り手側の都合です。
世界中で日本だけの変なシステム
実は、日本ではほとんどの設計士は住宅会社に所属しているか、 その下請けです。つまり所属している住宅会社独自のルールに 基づいて設計しており、このルールから少しでも外れた設計に なりますと、とんでもなく高額な変更金額か「出来ません」と 言う答えになります。仮契約してからでは困ってしまいますね。
ある住宅会社でお客様が1階の天井の高さを2.4mから2.5mに 変更してもらいたいと言うと、答えは「今見積もっている商品では 2.5mの天井高の設定が無く、同じプラン・同じ仕様の別の商品に 変更して50万アップ、そして天井を高くする費用として 50万円アップの合計100万円アップします」と言われたそうです。
天井を高くする追加費用は仕方がないとしても、商品が変わる だけで50万円高くなると言う話には納得できないのでその方は お断りしたそうです。この例はその会社の批判ではなく 生産システム自体の違いを分かりやすくした例です。
車の工場の生産ラインを思い出してみてください。 同じ種類の車が朝から晩までラインを流れていますよね、 工場生産率を上げなければならないので、特別注文品は別の ラインで生産しなければなりません。本来住宅は現場で作るもの でしたが、過度に工業生産化されますとこんな話が 当たり前の様になってしまいます。
プランの良否を一瞬で見分ける方法
それでは、プランの良し悪しを5秒で見分ける方法をお教えしましょう。 リビングのテレビとソファーのレイアウトを見る事です。 大概の図面ではテレビやソファーの縮尺がまちまちです。 テレビやソファーが小さく書かれていますと部屋が広く見えてしまいます。 モデルハウスへ行きますとテレビやソファーはレイアウト されているのですが、お手持ちの食器戸棚や家電収納棚など 実際の生活に必要なものが置かれていない状態ですので、 つい広々としていると錯覚してしまいます。
家作りで失敗しないために、 最低限これだけは実行してください。
1.お手持ちの家具やテレビ、本棚などを設計士に伝え必ず レイアウトしてレイアウトしてもらいましょう。 (新居に持っていかない家具も伝えてください、家具が変わっても 中身を入れる場所は必要ですので)
2.テレビは今お使いのものより最低一回り大きなサイズで考えま しょう。そしてそしてそしてテレビやオーディオを部屋のコーナーに 配置することは出来るだけ避けましょう。
3.ソファーを実際の寸法でレイアウトしてもらいましょう。 子育て世代でしばらくは床に座る生活が予想される場合でも 将来ソファーを置く事が予想されますので、最低限でも3人掛け+ サイドテーブルは考えておきたいですね。 出来ればサイドテーブルはソファーの前だけでなく横にも 置けるようにしておくと便利ですよ。
日本でも最近では、北欧の様に無駄なスペースのない間取りをお考えに なる方が増えてきました。当社ショールームにもダイニングで食事をした後 そのまま寛げる高さと仕様の、リビダイ家具を実際に体感して頂ける様 準備しております。
|
担当 川﨑誠 |