木造住宅の耐震基準の変遷


2022.04.01

 

今週末の相談会の為下記資料をアップしました。

 

 

木造住宅の耐震基準の変遷(抜粋)

 

●1950年(昭和25年)建築基準法制定

建築基準法が制定され、これに伴い市街地建築物法は廃止されました。
建築基準法施行令に構造基準が定められ、

許容応力度設計が導入されました。


木造住宅においては、床面積に応じて必要な筋違等を入れる

「壁量規定」が定められました。この時に、床面積あたりの

必要壁長さや、軸組の種類・倍率が定義されました。

 

 

●1981年(昭和56年)建築基準法施行令大改正 新耐震設計基準

1978年(昭和53年)の宮城県沖地震後、耐震設計法が抜本的に

見直され耐震設計基準が大幅に改正されました。

これにより現在の新耐震設計基準の基礎が作られました。


この、新耐震設計基準による建物は、阪神大震災においても

被害は少なかったとされています。これを境に、

「1981年昭和56年以前の耐震基準の建物」や

「1981年昭和56年以降の新耐震基準による建物」

といった表現がされるようになります。


木造住宅においては壁量規定の見直しが行われました。

構造用合板やせっこうボード等の面材を張った壁などが追加されました。

床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が改定されました。

 

●1995年(平成07年)兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)

●1995年(平成07年)建築基準法改正 ・接合金物等の奨励

建物の耐震改修に関する法律制定(耐震改修促進法 )

 

 

●2000年(平成12年)建築基準法改正

木造住宅においては、
1)地耐力に応じて基礎を特定。地盤調査が事実上義務化に。

(施行令38条)
改正の要点
・地耐力に応じた基礎構造が規定され、地耐力の調査が

  事実上義務化となります。
・地耐力20kN未満・・・基礎杭
20~30kN・・・基礎杭またはベタ基礎
30kN以上・・・布基礎も可能

 

2)構造材とその場所に応じて継手・仕口の仕様を特定。

(施行令第47条 告示1460号)
改正の要点
・筋かいの端部と耐力壁の脇の柱頭・柱脚の仕様が

   明確になります。
・壁倍率の高い壁の端部や出隅などの柱脚ではホールダウン金物が

   必須になります。

 

3)耐力壁の配置にバランス計算が必要となります。

(簡易計算、もしくは偏心率計算 (施行令第46条 告示1352号))
改正の要点
・壁配置の簡易計算(四分割法、壁量充足率・壁率比)、

   もしくは、偏心率の計算が必要となります。
・仕様規定に沿って設計する場合、壁配置の簡易計算を基本と

   します。

 

大きな地震が起きる毎に、より強い建物を造るべく、

建築基準法も改正を繰り返してきました。

担当 川﨑誠 

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